マーベルズ

一般市民から見た超人達の世界

マーベルズは、スパイダーマンが表紙のコミックですが、主人公はスパーダーマンでもソーでもファンタスティックフォーでもなく、その辺に住んでいる変哲のない一般市民が主人公の作品です。
時代は1939年であり、フィル・シェルダンという若者がカメラマンを目指すところから物語はスタートします。

特ダネを掴んで一流のカメラマンになろうとヨーロッパに渡ろうと考えていた彼ですが、ある日発表会の現場で初代ヒューマントーチを見たのをきっかけに、ヨーロッパへ行くのをやめてアメリカに残ります。
その後フィルは一流のカメラマンとなり、名が売れ始める頃には、超人の数もどんどん増えていきます。

数々の有名な超人が誕生し、その超人の数に呼応するように事件も多発していきます。
事件が日常的に起こるようになると、非日常が日常となり、人々はすっかりショーのように超人の活躍を見物します。
そして時代が更に進みミュータントの登場や、地球規模の危機が起こるようになり、フィルはある時はミュータントを嫌い、ある時は地球の危機に怯え、そんなフィルの一般人から見た超人の世界が描かれているのがマーベルズです。

作品として

この作品は、他のマーベルのコミックとは違い、超人やミュータント達の戦いがメインではなく、その世界に暮らす一般市民からの目線で物語は描かれています。
最初はただ単に、カメラマンとして特ダネを見つけるために、戦いの現場でシャッターを切っていたフィルですが、次第に現場に関わる間に心境も変化していきます。

最初はミュータントを差別していた彼ですが、同じように超人やミュータントに否定的になる人々に疑問を持ち始めます。
そして同時にマーベルズはアメコミのヒーロー達の歴史を1からたどっていた物語でもあります。
そしてフィルは最後はヒーローにのめり込み本も出版しますが、その後はヒーロー達の世界に付いていけなくなり、その業界から引退します。

さてこの作品をヒーロー達の活躍を見たいというのであればおすすめは出来ませんが、多くのヒーロー達の成り立ちを見たいというのであれば、まさにうってつけの一作です。
ただし、このコミックでは登場するヒーローは、名前が出るときもあれば、とにかく名前無く羅列する時もあるので、解説が欲しいと思うような場面も多々あります。
またアレックス・ロスの描く絵が素晴らしいというのは、多くのレビューサイトで言われていることであり、この本に対する賞賛も多いです。
マーベルに関する入門書としても、そしてさらなるマーベルの知識を得たいと言う人にも納得の一冊になっています。
ちなみにヒーロー達に関しても、かれらの考えや苦悩もところどころ描かれています。