パニッシャー

超能力を持たない珍しいヒーロー

アメコミに登場するヒーローたちは、超人的な怪力を持っていたり、空を飛べたりとなんらかの特殊能力を持っているものです。
しかし、このパニッシャー は、戦闘能力や精神力こそ高いものの、普通の人間と変わらない身体能力しかなく、バットマンと並んでアメコミヒーローの中では珍しい存在です。

その誕生は悲しい出来事から始まり、幸せな家庭生活を送っていた主人公が、ギャングの抗争に巻き込まれてしまい、妻と二人の愛する子どもを亡くしています。
そのことがきっかけで、ギャングを始めとする悪の存在を許せなくなり、個人として悪人を抹殺していくという裏の顔を持つようになります。

アメコミのヒーローものは、正義をふるって悪を倒すというストーリーが筋ですが、殺戮を行うという描写までには至りません。
しかし、このパニッシャーの場合は、殺戮がほとんどのケースに最終手段として用いられ、他とは異なる雰囲気を出しています。
そして、法を越えて私刑を行っているため、警察に追われる犯罪者として描かれているのも、ヒーローらしくないポイントでしょう。

時代背景に合ったキャラクターとストーリー

パニッシャーが誕生したのは、1974年ですが、その当時はニューヨークを中心に、ギャングの抗争や血なまぐさい犯罪が数多く発生していました。
そのため、手段を問わずに悪を徹底的に滅ぼすというパニッシャーのキャラクターは、犯罪への恐怖と憎しみを持っていた人々に強く受け入れられたのです。

また、パニッシャーはベトナム戦争の帰還兵という設定が付されていたのも、時代を色濃く反映している点でしょう。
戦争に反対する人々が多くなってきた時代で、パニッシャーの設定がその世論を後押しするものとなり、この作品に共感を寄せる人が多かったのです。

こうして時代の波にうまく乗ったこともあり、パニッシャーは長い歴史を重ねる長寿作品となります。
現在でも、いろいろな分野に進出していて、根強いファンを持っています。

超人的なヒーローとも渡り合えるキャラクター

パニッシャーは、いわゆる普通の人間として、悪と闘うキャラクターです。
一方、アメコミに登場するほとんどのヒーローは、壁をよじのぼったり、巨大な物体を持ち上げたりと、普通の人間をはるかに越える能力を持っています。

しかし、アベンジャーなど、たくさんのヒーローが集結して力を合わせて悪との闘いを行う作品では、パニッシャーは他の超人的なヒーローたちにひけを取らない活躍を見せてくれて、人間の底力を見せてくれています。
キャラクター力があるということもあり、他のヒーローとの共演も多いですし、クロスオーバー作品にも多数参加している人気のキャラクターです。