ウォッチメン

他とは趣の異なるアメコミ

ウォッチメンは、ヒーローもののアメコミとして、アメリカを中心に大きなブームを巻き起こした作品ですが、他のアメコミとはいくらか異なる性格を持っています。
その違いのために、ウォッチメンは異なるファン層を持っているのも特徴です。

まず、人気のあるアメコミは、スーパーマンやスパイダーマンのように、長い年月に亘って連載が続けられるのが普通です。
しかし、ウォッチメンの場合は、12巻にまとめられ完結したストーリーが展開されるのです。

そして、アメコミにおける主人公というのは、常にどこから見ても正義や善であり、ヒーローそのものといった存在です。
しかし、ウォッチメンの場合は、反社会性がどのヒーローにも表現されていて、見る人によっては悪と映る面も持っています。

このように、ウォッチメンはシンプルな、ヒーローという善が敵である悪と闘うというストーリーではなく、より深みがありますので、子どもだけでなく大人にも強い人気があるシリーズです。
このコミックが出た1980年代は、アメコミの人気が落ちていた時でしたが、ウォッチメンの新しい世界観によって、今までコミックに手を出すことがあまりなかったアダルト世代にも受け入れられました。

6人のヒーローが登場する

ウォッチメンは、一人のスーパーヒーローが物語り全体に亘って出てくるというものではなく、異なる6人のヒーローが登場します。
どのヒーローも、完全なる正義を体現した英雄ではなく、問題を抱え反社会的な思想や行動を取るという、アメコミらしくないキャラクター設定がなされています。

その一人がロールシャッハで、幼少期は大変不幸な家庭で育ち、ロールシャッハも殺人容疑がかけられているなど、暴力的な性格を持っています。
乱れた服装や不安定な精神状態など、およそヒーローらしくない振る舞いをしますが、正義感が大変強く曲がったことや、悪を絶対に許さないという態度を貫いています。

また、アメリカのスパイとして働くコメディアンも、とても強い愛国心を持って、精力的に国家のために働くものの、暴力的な衝動を抑えることができず、度々トラブルを起こします。
顔に火傷を負ってマスクをしているなど、外見という面からもあまりヒーローらしくない姿ですが、平和をもたらすために暴力をも辞さないという、アメリカの姿勢をよく表しているキャラクターでしょう。

たくさんの登場人物が現れる作品

主要人物が一人ではなく、複数のヒーローが登場するというのも興味深い設定ですが、悪役も含めたくさんの登場人物が存在するのが、このウォッチメンの特徴です。

ナチスドイツのスパイや、暗黒街のドン、強盗犯、ギャングなど、たくさんのキャラクター設定があるので、飽きずに楽しめるのがうれしいところです。